2020年ベストアルバム

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ここはsora tob sakanaへの想いを成仏させるために短期間だけ開設したブログで、もう更新することは無いと思ってましたが、毎年Twitterで年間ベストアルバムを更新するのが結構手間なのでここを使ったほうが楽なんじゃね?と思い立ちました。というわけで今年のTOP30です。

 

今年はコロナ禍の影響もあってか新作のリリースがぐっと減りました。今年買った純然たる新作は去年より100枚くらい少なかったみたいです。でも一時期在宅ワークしたり、ライブも無く家にいることが多くなり、そしてレコードプレイヤーを新しく買った影響もあり、音楽を聴く時間は確実に増えました。そして、エモ・パンク・HCのレコードを収集することに目覚めた結果、音楽につぎ込んだ金は去年と対して変わらない気が・・・どうでもいい前段は置いといて始めます。

 

●No.30 You'll Be Fine/Hot Mulligan 

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ミシガンのエモリバイバルバンドの2枚目のフルアルバム。1曲目こそトゥインクルなイントロだが、全体的にはモダンポップパンク色が強く、耳に残るがなるような歌声が印象的。でも決してスクリーモ~激情的にはならずこのダミ声がひたすら切ないメロディを際立たせる。同郷のCharmerの新作Ivy(今回は惜しくも選外)もそうだったが、今年は典型的なエモリバイバルから脱却した”聴かせる”作品が個人的に刺さった。

 

●No.29 Lament/Touche Amoref:id:UshiroM:20201222204726j:plain

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現行ポスト・ハードコア代表格バンドの5作目。元々、典型的な激情系の枠に収まらないスタイリッシュさを持つバンドだったが、ロス・ロビンソンをプロデューサーに迎えた今作でより多彩なアプローチを追求。ポストパンク、カントリー、ピアノバラードなどサウンドの幅を広げつつも、Jeremy Bolmの壮絶でエモーショナルな歌唱は不変。

 

●No.28 The View From Halfway Down/Andy Bell

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シューゲイザーレジェンドRIDEのフロントマンにして、OASISの元メンバーでもある才人の初のソロ名義の作品。60年代のサイケデリックロックから影響を受けたメロディラインは健在だが、ほぼ一人で製作したこともあり、サウンドエレクトロニカクラウトロック色が強くRIDEとは一味違うサイケデリアを生み出している。個人的にはBECKにも通じる自由奔放さを感じた。昨年のRIDEの新作でも思ったが、50歳とは思えない程感覚が若い!

 

●No.27 ファルセット/RYUTist

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新潟の古町をベースに活動するアイドルグループの4作目。シングルリリースした楽曲をアルバムに組み込んだ初の作品となった。楽曲提供は沖井礼二・北川勝利といったポップマエストロから、シンリズム・Kan Sano・柴田聡子・Ikkubaruといった新進アーティストまで豪華な顔ぶれで正にポップミュージックの玉手箱。特に蓮沼執太によるALIVEは新機軸で出色の出来。これらの楽曲を彩る4人の自然なハーモニーは不変で至高。

 

●No.26 20/20/Knuckle Puckf:id:UshiroM:20201222210610j:plain

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現行ポップパンクシーン最注目株による3作目。オルタナ色の強いアグレッシブなサウンドとメランコリックでキャッチ-なメロディが持ち味だったが、今作はよりポップさを追求し00年代ポップパンク~ギターポップ的なアプローチに。NFGの王道ポップパンク回帰に呼応したような突き抜けた爽快さ、Third Eye Blindを彷彿とさせるギターアプローチは、このサウンドが青春だった自分のような世代には堪らない。

 

●No.25 Gold/FAREWLL,My L.u.v

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名古屋をベースに活動するSoul~R&B~HIP HOPアイドルの新作。児玉律子とサポートメンバーのタイロン・ウッズの2名体制での作品となった。1曲目からサポートメンバーをメインに据えるという掟破りのダンスチューンHappy Lightに始まり、極上浮遊レゲエチューン染まっていく、ミニマルでジャジーで90’Sなトラックが刺激的なObsessionなどバラエティ豊かな楽曲が並び、児玉律子のボーカリストとしてのポテンシャルを存分に味わえる。

 

●No.24 No Driver/I Love Your Lifistyle

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スウェーデンのエモ~メロディックバンドの3作目。前作の路線を継承した持ち味のキャッチ-でパンキッシュなサウンドに加え、シンセも多様しより広義のギターポップファンの心を掴む作品に。全曲シンガロング必至の捨て曲無し。母国語で歌う曲があるのも良いし、ミディアムテンポの楽曲が特に沁みる。そして、特筆すべきはジャケットが可愛い。

 

●No.23 Blue Hearts/Bob Mould

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Husker Du~Sugar~ソロと活動してきたハードコアパンクオルタナの大重鎮のソロ14作目。コロナ禍~BLM~大統領選に端を発したアメリカの混乱に対する怒りをストレートにぶつけた原点回帰作品。パンクロックと政治は切り離せないものであるけど、この作品に説得力をもたらしているのは綴られた言葉ではなく、演奏とボブの絶唱から感じる『音に込められた怒り』、そしてどれだけアグレッシブになっても損なわれないメロディセンスだろう。

 

●No.22 Red Eye/Randy Goodrum

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アメリカのAOR界を代表する(自分はこのアルバムで初めて存在を知ったのだけど)SSWの26年ぶりの新作。タワレコで何の気なしに試聴して、再生した一音目からこれは絶対間違いないやつだとわかり即購入。全楽器パート・メロディ・歌・コーラスの調和が心地よすぎる。王道かつモダンなアレンジを盛り込んだThe Hubが特にお気に入り。

 

●No.21 THE PARK/赤い公園

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個人的世界で一番好きな女性ボーカリストの1人である石野理子(exアイドルネッサンス)が新ボーカルとして加入後初のフルアルバム。一聴して赤い公園とわかるサウンドやメロディを核に残しつつ、石野の歌声を100%活かせる楽曲にシフトさせた津野米咲の才能と力量に感服。直近で発表されたシングルも傑作で今後のさらなる飛躍を期待していただけに、津野の急逝がただただ残念。

 

●No.20 Compartidas/Asi

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Gonza Sanchezを中心としたアルゼンチンのバンドの3枚目のアルバム。元々はドリーミーなインディロックだったが、前作(国内版はこのアルバムとの2in1)からAOR/ジャズのテイストが盛り込まれ、今作はその志向をより強めた作品となった。女性ボーカルをフィーチャーした楽曲が増え、Chassolからの影響も感じられる意欲作となった。心地よい浮遊感に包まれてチルアウトできる。

 

●No.19 Punisher/Phobe Bridgers

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LA出身の新進SSWの2作目。今年はThe 1975とのコラボレーションでも注目を浴びた。ローファイなフォーク~ギターポップからブラス隊をフィーチャーし聖歌的なバックコーラスまであるラスト曲まで、USインディ的サウンドとメジャー志向の大物感を嫌味なく同居させる手腕が見事。何より声とメロディが良いのと、女性SSWにありがちなメンヘラ感があまりなくてカラっとしてるのも好き(個人の感想です)。

 

●No.18 First Star/Jewel☆Ciel

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Arc Jewel所属のアイドルグループ初のフルアルバム。アイドルらしい夏感とノスタルジアのあるキラキラした楽曲をメインとしつつも、芯のあるバンドサウンドが全体をグッと引き締めて、派手過ぎず地味過ぎずの絶妙なバランス。個人的に「アイドル楽曲で評価すべきは玄人受けするジャンルに特化しているかではなく、多彩なジャンルをいかにポップミュージックとして昇華できているかではないか?」という認識を持つきっかけになった。楽曲提供者の1人でサウンドプロデューサーの平田博信(Swinging Popsicle)が以前関わっていたAurolanoteのカバーが秀逸。

 

●No.17 Gulfer/Gulfer

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カナダ出身のエモリバイバルバンドの2年ぶりの新作。前作Dog Blessはザ・トゥインクルエモという感じのツインギターがタッピング地獄で畳み掛ける強烈かつ勢いのある作品で、個人的にも2018年ベストの1枚に挙げていた。今作はイントロを挟んだ2曲目こそ前作を彷彿とさせるが、全体的に鬼のタッピングは要所に留める感じでグッと聴かせる正統派にシフトしている。結果的にバンドのソングライティングの良さが浮かび上がる好作となった。例えるならGulfer版endserenadingか?

 

●No.16 蕾/Climb The Mind

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名古屋のマス~エモスリーピース3年ぶりの新作。よりスローでメロディアスに、フォークソングを彷彿とさせるまで歌心が深化。持ち味である飄々とした歌詞も物語性が強まり、『出会いと別れ』を感じさせる内容となった。一方でリード楽器と言っていいような独特のベースライン、エモーショナルにバーストするギターは健在で、メロディを一層引き立たせている。インディ・エモ好きのみならず、もっと認知が上がって良いバンド。

 

●No.15 Notes On A Conditional Form/The 1975

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前作でUKのみならず世界的ロックバンドにのし上がった4人組の前作から短いスパンで発表された4作目。CD1枚で22曲トータル80分というボリューム、スムーズには進まない曲構成と、正直アルバムとしての評価に若干困る作品となった。一方でMe & You Together Songを始めとした先行シングル群の圧倒的なキャッチ-さはキャリア中堅バンドとは思えない瑞々しさに満ちている。個人的にはサブスク主流となりアルバムの存在価値が問われる昨今の音楽の聴かれ方への皮肉かつ挑戦状と解釈したが…

 

●No.14 Forever + Ever X Infinity/New Found Glory

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00年代ポップパンクの代表格の10作目。ルーツであるHCパンクの前のめり感を取り戻しつつ、持ち味のドキャッチ-なメロディセンスも全開にした傑作。ロックバンドがトレンドで無い今だからこその原点回帰。今年のパンクシーンを象徴する一枚となった印象。余計な説明は不要、あの頃キッズだった皆聴くべし。

 

●No.13 Never Not Together/Nada Surf

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USインディ・グランジオルタナシーンの荒波を生き抜いてきたベテランバンドの9作目。キャリアの中で研ぎ澄まされていったメロディセンス、普遍性、純度の高いギターポップ集。初期代表曲Popularを彷彿とさせるスポークンスタイルでまくしたてるSomethig I Should Doは圧巻。

 

●No.12 Suddenly/Caribou

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Dan Snaithによるソロプロジェクト6年ぶりの新作。夢見心地なエレクトロサウンドと歌心のあるメロディは健在。今作は大胆なサンプリングのR&B~ヒップホップ的なアプローチやフォークトロニカ要素も盛り込みバラエティ豊かで緩急があるのにしっかり一貫性のある作品となっている。HOMEは今年のベストトラックの1つ。

 

●No.11 Clouds In The Mirror (This Is Not A Safe Place reimagined by Pêtr Aleksänder)/Ride

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昨年に発表したThis Is Not A Safe Placeを Pêtr Aleksänderがストリングスアレンジでリミックスしたアルバム。元々再結成後のRIDEはエレクトロニカに積極的に接近していただけあって、繊細なメロディライン・コーラスワークがポストクラシカルなサウンドが違和感なくマッチしている。RIDEというバイアス抜きにしても純粋に美しい作品。

 

●No.10 Ohms/Deftones

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ハードコア・メタル両界隈から支持される稀有な重鎮(物理的にも)バンドの4年ぶりの新作。前作GOREは若干煮え切らない内容だったが、今作はチノのボーカル、ヘヴィに浮遊するギター、アンビエントなエレクトロサウンド、どれを取ってもいい具合に振り切れている。所謂キラーチューン的な楽曲は無いがアルバムトータルで隙が無い。サバスばりのクラシカルなフレーズから激重展開に雪崩れ込むラスト表題曲で一気に全体の流れが集束していく感じは圧巻。

 

●No.9 PINK/RAY

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匿名シューゲイザーアイドルとして話題になった………(以下ドッツ)の運営が手掛ける4人組アイドルの初のフルアルバム。ドッツ時代の楽曲も一部引継ぎ、Ringo Deathstarによる提供曲Meteorなどシューゲ~エレクトロ路線を継承しつつ、新機軸としてパンク・ポストハードコア色が強まった作品に。これらの雑多なジャンルを内包しつつも核となるのはキラキラとしたメロディラインと4人の歌声。マニアをニヤリとさせる音楽性を維持しつつも、しっかりアイドルポップスとして成立する楽曲たち。この魅力を否定しろというのはなかなか難しい。

 

●No.8 Printer's Devil/Ratboys

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シカゴを拠点に活動する男女エモ~オルタナデュオの3作目。今作から4ピースのバンド編成になった影響か、ぐっと歪んだギターが前面に出たアグレッシブな作風に。これにJulia嬢の甘い歌声が乗っかるのだから堪らない。that dogやSarge、P.S.Eliotなどの90'sオルタナの系譜を引くギターポップ好きは必聴の一枚。

 

●No.7 Corpo Possivel/Bruna Mendez

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アフロだし名前似てるけどブルーノ・メンデス(セ●ッソ大阪)ではありません。ブラジル出身の若手女性SSWの2作目。エレクトロでチルなサウンドに乗せてポルトガル語で歌われるR&Bサウンドと語感の相乗効果で独特な心地よい浮遊感が産まれ、トレンドの音でありながら圧倒的に個性的。やはり南米大陸は才能の宝庫である。

 

●No.6 Somewhre City/Origami Angel

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ワシントンをベースに活動する2人組エモリバイバル。昨年11月のリリースだけど、存在を知ったのも聴きまくったのも今年だし今年のベストに入れさせて下さい。所謂トゥインクルエモ的な楽曲もあるものの、そこに留まらない個性的でテクニカルなギターアプローチ(特にクリーントーンのカッティングがイカす)がカッコいい。NFGばりの爽快なポップパンク・STDのような切ないメロディにエモリバイバルのシンガロングな衝動性が合わさったら最強でしかないでしょう。

 

●No.5 Figure/Into It. Over It.

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数多くのバンド・プロジェクトで活動してきた現行エモの最重要人物の1人、Evan Weissの本業とも言えるiioiの4作目。前作Standardsはパンキッシュな要素が減退しポストロック的なアプローチで聴かせるアルバムだったが、今作はより広義のギターロックに接近している。と言ってもメジャーな大作志向というわけでもなく、いい具合に力みの無いバンドアンサンブルとグッドメロディは個人的にはNarrow Stairsの頃のDCFCを彷彿とさせる。Evanの才能底知れず。

 

●No.4 Inlet/Hum

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95年に早すぎたポストオルタナな1枚You'd Prefer an Astronautを発表し、後発世代に多大な影響を与えたバンドが22年ぶりの新作を突如発表。基本的なスタンスは変えず、そのヘヴィさはさらに凶悪に、ブランクを感じさせないどころか時代がようやくHumに追いついたことを証明するような1枚となった。奇しくもShiner、DeftonesJESUなどジャンルの壁を超えてヘヴィな音を鳴らすバンドが直近で新作を発表し、この流れを象徴するようなオリジネイターの帰還だった。

 

●No.3 16歳のアリス/川上きらら

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うさぎのみみっくのメンバーとしても活動する福岡出身の16歳(現在は17歳)のソロ名義で初のフルアルバム。初期松田聖子を彷彿とさせる古き良き正統派アイドルポップスを現代に成立させるのは、彼女の歌声・と歌唱法(特にしゃくりが素晴らしい)あってこそ。更に80年代後半~90年代前半J-POP的なアプローチもあり、飽きさせない。音楽がライトに消費させる時代だからこそ作りこんだよい曲・アレンジ・歌が満載の作品が世に出たことは意味があると思う。グループ活動含めて今後に更に期待。

 

●No.2 Women in Music Pt. III/HAIM

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正直彼女達の過去作はあまりちゃんと聴いていなくて、『ブラックミュージックや80’sを消化したお洒落な音楽をやる今時のバンド』という印象だった。ある日たまたまレコード屋でかかっていたのがこの『Women in Music Pt. III』、レイドバックした泥臭いアコースティックナンバーが耳に残った。今作は前述したイメージ通りのスタイリッシュさもありながら、そこにアメリカーナなテイストが違和感なく溶け込んでいる。ジュディ・シルポール・サイモンがアレンジしたようなLeaning On Youは今年のベストトラックの1つ。

 

●No.1 Every Sun,Every Moon/I'm Glad It's You

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カリフォルニアのエモバンドの2作目。前作はThe Promise Ringフォロアーとも言える正統派なメロディックエモだった(なお今作を買った後に聴いた)が、今作は御大J・ロビンスをプロデューサーに迎え、エモの枠を取っ払ったギターポップとも言える爽快感とスケール感のある作品に。ピアノやキラキラシンセも多様しつつ、時に軽快に時にエモバンドらしくハードにドライブするギターサウンドが心地良い。そして、3-4枚目あたりのSaves The Dayや初期Copelandを彷彿とさせる切ないメロディラインの素晴らしさ。00年代前後に出てきたらメインストリームでヒットも狙えたのではとすら思える。エモを、洋楽を普段聴かない人でも刺さる人がいるであろう、そんな普遍性のある大傑作。

 

そんな感じで、今年は嗜好がパンク・エモ寄りになったのが顕著に出た結果になりました。アイドルに関しても所謂楽曲派的なものより純粋に曲が良いものが刺さるようになってきたかも。そんな2020年でしたな。

sora tob sakanaと私⑤メンバー編(完)

本当はふぅちゃんの誕生日に間に合わせるつもりでしたが、下書きがぶっ飛んだり、書き直したりしてたら9月の終わりとなりました…

 

今回はサカナのメンバーへの想いを語って締めくくりとしたいと思います。

 

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一番好きな写真

 

※注※れいまなつかに関しては客観的、ふぅちゃんに関しては超主観的文章となっています※注※

 

●風間玲マライカ
『心優しき自由人』

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2018年のれいちゃん生誕にて

サカナ現場に通うようになって持った印象は、
・思ったことをすぐ言動に出す子
・歌声に癖が無く綺麗
・上昇志向(「売れたい」連呼w)
あたりだろうか?

初対面だろうと知ってるオタクだろうととにかくフランク、メンバーに対しても遠慮なくものを言うし、キツい性格の子なのかなと思った。
でもしばらくして見えてきたのは、根が優しくて機転の利く側面だった。

それを象徴する出来事が16年10月の定期公演。オケが止まってしまった時に、「時間が止まったのに私たちだけ動いている!」とアドリブを入れたり、オケトラブルが原因で思うようなパフォーマンスが出来なかったと泣き出すふぅちゃんに「しっかりして!いつも全力なんでしょ?」と声をかける姿、とても頼もしかった。対外的なイベントやTV/ラジオなどでもれいちゃんの存在が、サカナの弱点である「トーク」「バラエティ感」を補っていた感はある。(3人になってからのユルさも楽しかったけど)

また、自身の生誕祭でも常に『ファンが見たいと思うもの』を考え、それを優先して企画に入れて(レア曲やラップ曲、オサカナ楽団、サインボールなど)、とてもファン思いな一面もあった。それはラストの卒業公演まで徹底されていたし、アイドル生誕祭で定番のソローコーナーを卒業の日に初めてやったことにれいちゃんがどれだけ『皆で楽しむ』ことを最優先していたかが顕れていると思う。

卒業して1年以上経っても、芸能活動に拘らず今やりたいことをマイペースにやっているのもれいちゃんらしい。これからも人生楽しんで。

 

●山崎愛
『永遠の未完の大器』

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2017年のふぅ生誕より

自分がサカナを知った頃(15年末)、唯一途中から加入して最年少だったまなちゃんは先輩メンバーに敬語を使っていた。ブログもとてもアイドルらしい内容(今見るとかなりシュールw)で、
・真面目で健気
・儚げで思春期感のある歌声
・繊細で人見知り
こんな第一印象だった。

敬語を使わなくなったのが16年の夏あたりだっただろうか?そこからどんどんと変人の片鱗wを見せ始めるとともに、メンバーへの不器用な愛情を全開にしていった。解散直前に「サカナに入って良かったことは?」という質問に「友達(メンバー)ができたこと」と答えたように、メンバーと一緒にいることが誰よりも好きだったと思う。

そして「サカナの成長は山崎愛の成長の歴史である」と言っても過言ではないくらいパフォーマンス面の成長が著しかった。彼女の持ち味である儚げで柔らかい声質を損なうことなく、太さと力強さも加わった18年以降の歌唱は見事だった。そして、その声の柔らかさはハモにも最適だった。余談だが、まなちゃんが夏の扉でハモを入れるようになった時に全握で褒めたら「え?やったー!」ととても喜んでくれたことが私とまなちゃんの数少ないいい思い出であるw

このままアイドルを続けていたらどんな成長を見せてくれたのだろうか?行動思考の読めない子だけに、しれっとどこかで復活しないだろうかと密かに期待もしている。

 

●寺口夏花
ゆるキャラの仮面に隠した信念』

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同じく17年ふぅ生誕より

なっちゃんの第一印象は、
・最年長なのに一番背が低くて言動も子供っぽい
・独特なアニメ声
・意外と毒舌
みたいな感じで、16年3月の初めて行ったふらぷろ祭でもシャムの野呂さんとゆるゆるなMCを担当していたのをよく覚えている。

恐らくなっちゃんは元々ダンスや歌が得意なタイプでは無かったと思う。特にリズム感を必要とされる楽曲で相当苦労をしたのではないだろうか。それでも大舞台やいざというときに一番パフォーマンスが頼もしく見えたのは寺口夏花だったし、きっと陰で血のにじむような努力をしてきたはず。その努力を表に出すことを嫌がり、ゆるいキャラで隠していたのではないかと勝手に思っている。

思えば、4人時代のMCやトークで自然とまとめ役になっていたのはなっちゃんだったし、「みんな仲良しくして!」「ズルはダメ」「人が話してるときに後ろ向かない!」などの発言も本気だったのだろう。その責任感・正義感の強さを象徴するエピソードを1つ。

16年6月のれいちゃん生誕祭。前述した通りレア曲中心(+オサカナ楽団、撮影可能曲などの企画)のライブで、ソロコーナーも無かったことからいつも通りの感じでライブが盛り上がっていた。その時、ライブの合間のMCでなっちゃんが発した一言、
ねえ、れいの生誕なのに白以外のサイリウム焚くのあり得なくない?
れいちゃんの性格的にそこまで気にしていなかったかもしれない。それでもなっちゃんは、少しでもれいちゃんの生誕祭らしくしたかったのだろう。当然、赤いサイリウムも見えていただろうに、はっきりと発言する姿がとてもカッコよかった。

彼女がアイドル活動に区切りを付けたくなったのは、そんな根の真面目さ、正義感の強さゆえにという部分は少なからずあったかもしれない…けどそこを詮索するのは野暮だろう。そんななっちゃんが好きだったし、幸せに平和に健康に怪我無く過ごして欲しい。

 

●神﨑風花
『天使』

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16年れいちゃん生誕より、この写真を撮れたことだけは本当に誇りたい

150枚(多分)、ふぅちゃんと撮った(ツーショット)チェキの枚数である。

サカナのオタクとしての5年間は間違いなく、『ふぅちゃんとの歴史』だったし、ふぅちゃんとのチェキ(通称:ふぅチェキ)を見返すだけで色々な思い出が蘇ってくる。自分のオタクスタイル(1グループ=1推し、生誕以外は推しと撮らない、ループしない、「推してる」と口に出さない)は完全にふぅちゃんを推す中で確立されたものである。

そんなふぅちゃんの第一印象は、
・ボブ
・子供っぽい
・元気
と普通の中学生だなーという感じで、一発で惹かれたわけではなかった。

初ふぅチェキを撮ったのは2度目にサカナを観た時、忘れもしない2015年12月27日(余談ではあるがハ●ムスの元阿部さんと初チェキを撮った日でもあるw)、TFMホールの対バンだった。座りで高くて広いステージでじっくり観れたこともあって、ふぅちゃんの表情の豊かさがやたら印象に残った。
何この子、ライブ中ずっと表情コロコロ変えてるやん
ただ笑顔をキープするのではなく、変顔に近いレベルまで曲や歌詞に合わせてコロコロ変わる。ついつい目で追ってしまった。

当時、主現場だったアイドルネッサンスの特典会はお見送り会がメイン、チェキを撮れるのは生誕祭のみだったので、「チェキはおめでたい日に撮る特別なものでむやみやたらに撮るものではない」という感覚だった。なので今では信じがたいことだけど、相当な覚悟を決めてチェキを撮りに行ったと思う。

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記念すべき初ふぅチェキ

何を話したかは緊張しすぎて覚えていない。でも、明るくてフレンドリーでめちゃめちゃいい子だと思ったのは覚えている。それからサカナ現場行った時は必ず、ふぅちゃんとチェキを撮るようになった。ふぅちゃんからどんどん話をしてくれるし、気を張らなくてもアイドルと楽しく話せるということが少しずつ楽しくなっていた。

そして、2016年の5月7日にふぅ推しになる決定的な出来事が起きる。その年のGW、ふぅちゃんは体調不良でライブをしばらくお休みしていた。そしてGW最終日の7日から復帰する告知があり、いてもたってもいられず急遽秋葉原のバクステに向かった。そこでの特典会、自分の顔を見たふぅちゃんが「ウシロさーん!」と満面の笑みで声をかけてくれた。それまでアイドルに名前を覚えてもらう必要性を感じていなかった自分が初めてアイドルから認知された瞬間、恐らく死ぬ時の走馬灯に確実に流れるだろうw

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元気になったふぅチェキ

それからはもう夢中だった。みるみるサカナ現場は増えていったし、ライブ中にコールしたりケチャしたり行動で示せば、ふぅちゃんはしっかり爆レスで応えてくれた(それを会場にいる沢山の人にやってたのだから本当にすごい子だと思う)。当時からふぅちゃんには強い古参オタクの方々がたくさんいたので、かえって他人と比べるプレッシャーも無くマイペースで1現場で1チェキを守ることもできた。

一方でふぅちゃんはMCやトークイベントではあまり積極的に話すタイプでは無かった。後、結構泣き虫。現場が増えるにつれ、この子は根は大人しいタイプなんだということもなんとなくわかってきた。だからこそ、歌もダンスもアイドルとしての自分のあり方も、努力をして試行錯誤して絶えず向上させていったんだと思う。その象徴の一つが毎日続けた『ふぅカルタ』『ふぅ格言』だろう。(まなちゃんのブログもそうだけど、サカナメンはやると決めたら意固地な子が多い)

そんなふぅちゃんも高校生になり、年齢を重ねるにつれ落ち着きのある美少女に成長していった。ライブ中の百面相は歌詞の世界観を意識した繊細な表情に、満面の笑みはアルカイックスマイルに、歌唱は自分の声質を100%活かせるような自然なスタイルに、ダンスも指先・つま先まで意識された華麗さを身に着け、『天使のような』から『天使』に変身していった。

そんな変化も含めて全部魅力的だったし、どんな時もいつも自然なふぅちゃんだったから自分もペースを崩さずに5年間推し切れたのだと思う。

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お気に入りのふぅチェキたち(ごく一部です)

これを書き終わる2日前の9月28日にふぅちゃんは19歳の誕生日を迎えた。これからどんな大人になるのだろうかとか、どんな道に進むのだろうかとか気になることはたくさんあるけど、今は楽しい5年間を過ごせたことへの感謝しかない。ふぅちゃん、君のおかげでオタクとして色々踏み外した気がするけど、最高に楽しかったよ。本当にありがとう。できればまたいつかどこかで。

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このチェキ残念なことに発色が悪いんですけど、好きなんです。

同じ空の下のどこかで(ribbonのMVのラスト風)

●あとがき

まさかこんなに時間がかかり、かつ長々と書くことになるとは思いもせず・・・でも思い出を整理して吐き出せたので、12月にラストライブの映像が届くころにはちゃんと受け止めて見直すことができるような気がします。

 

サカナに、ふぅちゃんに出会わなければ、ふらぷろの後輩たちにも、さまざまなアイドルにも出会わずKSDDにもなってなかった気がします。そんな意味でも人生を変えてくれたグループ。後にも先にも唯一のグループだと思ってます。

 

いつか、近い将来にサカナの音楽がもっと正当な評価を得たらいいなと願いつつ、このブログを締めたいと思います。(恐らくもう更新することはないでしょうw)

sora tob sakanaと私④ライブ編

さて、今回はsora tob sakanaのライブについて語ります。

 

 

Wikipedeiaのライブ記録(これ作った人に感謝)見ると本当凄い数のライブこなしてるのに驚きます。

今日は自分が行ったライブの中で特に思い出深いものについて、題して

~マイベストサカナ現場10選~

※ランキングではなく基本時系列です

 

sora tob sakana突発イベント~月面の遊覧船番外編~(2016.02.07 TSUTAYA O-nest
開催1週間前くらいにTwitterで「アイドルでもバンドでも対バン相手募集します」みたいな告知で急きょ開催されたライブ、共演は変態段ボール工作系ハードコアEmliy Likes Tennis、レーベルメイトで親交の深いむすびズム、更にフィロソフィーのダンスとの初共演でもあったり。

形態・ジャンル・知名度問わずのごった煮対バンは後の天体の音楽会の原型?個人的にもアイドルってここまで自由にやっていいんだと知ったイベントで、夏の扉をライブで初めて聴けた日なので思い入れあったり。舞台裏でなっちゃんが初対面の日向ハルさんに「身長何センチですか?」といきなり聞いて、自分より低いことを知ると勝ち誇って去っていった事件が勃発w。両グループが年齢差を越えた盟友関係となっていくきっかけとなった意味でも重要な日。

 

■タメドラフェス!♯002(2016.6.26  TSUTAYA O-nest
ラジオ主催のなんてことない対バン・・・なのだけど、実はこの前週にTIFのメインステージ争奪ライブ(自分はチケット落選して配信で観ていた)がありサカナは同率最下位で敗退していたのでした。争奪ライブ直前にふぅちゃんと話した時は「勝っても負けても、こういうイベントに出してもらえるだけでも有り難いよね」なんてことを言っていたのを覚えている。

そして敗退翌週のライブ、持ち時間20分の短いステージだったけどサカナはびっくりするほど気持ちの入ったキレのあるパフォーマンスを見せた。ライブ後の特典会、ふぅちゃんに先週の健闘を労うと「やっぱり悔しかったよね」とポロッと一言。その時初めて気づいた、ぱっと見のほほんとしてるこの子達実は負けず嫌いで結構ガッツあるやん!と。本当にサカナの虜になったのはこの日だった気がする。

 

sora tob sakana 2周年記念ワンマンライブ「境界線上のサカナ」(2016.7.23 渋谷WWW)

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ウシロを探せ!

自分にとって初めてのサカナワンマン。吉田豪とのトークショー、1stアルバムのフラゲ、伝説のKIDSTシャツの発売と盛りだくさんだった。もちろん本編は今までの集大成ともいえる素晴らしいパフォーマンス・演出で、クライマックスで夏の扉は未だに目に焼き付いている。

アンコールの挨拶で感極まって涙するふぅちゃんクラウチングスタートが始まっても涙は止まらない。そんなふぅちゃんを後押しするように沸き起こるふぅちゃんコール!泣いてないのに自分にもコールを寄こせと催促するれいちゃんwサカナ現場って基本思い思いに楽しめるのが良さだと思ってるけど、あの時は一体感を感じたなあ。

 

TOKYO IDOL FESTIVAL 2016 SKY STAGE(2016.08.06)&2019 SKY STAGE(2019.08.04)
前述したメインステージ争奪ライブには敗れたものの、16年にサカナは初のTIFに出演することとなる。その2日目、メインステージ・SMILE GARDENと並んで人気のSKY STAGEでサカナは夕暮れの天然のVJをバックに衝撃的なパフォーマンスを見せた。

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2016年のSky Stage

翌年にはメインステージ出演を果たし様々なステージでインパクトを残してきたが、あの日の広告の街は間違いなくサカナの躍進のきっかけの一つになったと思う。

 

その後17年・18年のSKY STAGEは日中の時間帯でそれもまた良いパフォーマンスだったのだけど、結果的に最後のTIFとなった19年の最終日。ラスト3組がヤなミュー➨サカナ➨amiinAと楽曲派シーンでしのぎを削った好敵手3組の流れ、そして極めつけはトリにサカナと盟友amiinAのコラボ。夜空に舞い降りた純白の5人のパフォーマンスは19年のアイドルフェストータルでベストアクトだった。

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永遠の盟友にしてライバル

 

sora tob sakana 単独公演「月面の音楽隊」(2017.04.30 恵比寿LIQUIDROOM

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こういう時の笑顔が最高

サカナにとって初めてのフルバンドセットでのワンマンライブ、当時サカナにとって最大キャパのリキッドルームをソールドアウトさせたことでも話題になった。

バンドメンバーは、照井順政(ハイスイノナサ/siraph)佐藤香Aureole)、森谷一貴(ハイスイノナサ)、松下マサナオ(Yasei Collective)、中西道彦(Yasei Collective)、オータケコーハン(from LAGITAGIDA/sajjanu/あらかじめ決められた恋人たちへ)、小西遼(CRCK/LCKS)と、18年以降固定となったラインナップとは大きく異なり、様々なジャンルから豪華なプレイヤーが集まっている。

かなり癖の強いグルーブを生むバンド演奏に負けずに、楽しそうに軽やかにパフォーマンスするメンバー。非日常性を楽しめるメンバーが揃ったことは大きな武器だったと思う。個人的には、このライブからポール・マッカートニーのドーム公演を回したこともあり恐ろしく濃い一日であった。

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あの日自分意外にサカナからサー・ポールを回した人いたら結婚しましょう

 

■アイドル横丁夏まつり!!〜2017〜 一番地(2017.07.09 横浜赤レンガパーク

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アイドル横丁自体フジヤマプロジェクトが噛んでいることもあって、サカナは前年からメインの一番地に出演できていたのだけど、その年の2日目は17時前後の夕暮れ時の出演で名実ともに人気実力で掴んだメインだった。しかし、サカナの次はAKB・・・AKBオタクで埋め尽くされた一番地、完全にアウェイな状況で魅せたパフォーマンス。そしてラスト、夜間飛行の余韻から放たれたribbonの神々しさは素晴らしかった。サカナは逆境や大舞台、実力のある対バン相手ほど強いし燃える

 

■アイドルネッサンス主催ツーマンライブ「対するネッサンス!!2017」(2017.10.08 渋谷WWWX)

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撮影タイムで私が撮った写真(まなちゃんゴキゲンw)

確か新木場のアイドル甲子園かなんかでルネの出番の時にサカナメンが乱入してきて(逆だったかも?)、ルネ主催のツーマンにサカナが出演することが発表された。両方のオタクだった俺は大歓喜である。

王道+鋭角やtswなどの攻めセットで挑んだサカナに対して、ルネはハーモニー重視のシックなセットで迎え撃った記憶。サカナの魅力の1つって、バラバラの声質を持った4人が地声でユニゾンで歌うから生まれる自然のハーモニーだと思っていて、ルネはそれに対して組織化されたハーモニーを魅せつけたと勝手に思っています。

それにしても、まなつかの金曜日のおはようや、ふぅれいの太陽と心臓、そしてまなちゃんの「待ってるにゃあ」が見れたのは一生の思い出・・・w

後にこよちゃんが開花でレーベルメイトになったり、ふぅちゃんとずーちゃんがソロ共演したり、なっちゃんとまいなが友達になったり、サカナとルネはその後の縁も面白い。

sora tob sakana presents 「天体の音楽会」(2018.02.12 中野サンプラザ/2019.02.17  Zepp Tokyo/2020.02.08  TSUTAYA O-EASTO-WESTduo MUSIC EXCHANGE

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2018年から毎年2月に開催された天体の音楽界、アイドル・バンド問わず尖ったラインナップで、私みたいな音楽ジャンキーでKSDDな人には天国のようなイベントでした。(逆にそうでない人には苦痛だったとは思う・・)

大ブレイク前のKing Gnuを近くで観れたり、tricotやTempalay、MONO NO AWAREみたいな注目の国産バンドをたくさん観れたのも邦フェス行かない自分にとっては貴重だった。

何よりサカナのバンドセットが回を経るごとに研ぎ澄まされていくのが楽しみだった。所謂ホールで見るのとは違う解放感。それは今年のvol.3のo-eastのステージが究極だったと思うし、スタンディングライブのサカナは思えばあの日が完成形だった。サカナのオタクも、そうじゃない人もみんな楽しそうだったよなあ、あのLighthouse。

 

■Pop'n Party(2019.05.05 Shibuya duo MUSIC EXCHANGE)&風間玲マライカ卒業公演(2019.05.06 白金高輪SELENE b2)

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VJだけでなく舞台装飾の美しさもサカナの魅力

玲ちゃんにとって最後の対バンと卒業公演。前者はサプライズでフィロのスとの合体ユニット『踊るオサカナ』が復活し、両者の強い絆に感動した。その日のライブはフロアの吹っ切れた盛り上がりもやばくて、死ぬほど踊ってた記憶。

そして翌日の卒業公演は一切涙の無い、玲ちゃんらしいサービスと笑顔満点のライブだった。思えばふぅれい・まなつかのラップもあの日がラスト。今まで生誕祭でも『みんなで楽しむ』ことを優先して一切ソロをやらなかったれいちゃんのアコースティックソロは神々しかった。

 

sora tob sakana last oneman live「untie」(2020.09.06 日本青年館ホール)

このライブについては、まだ自分の中で消化し切れてないし、アーカイブも見ていない。年末にBDが届くころには色々気持ちの整理が付いているとよいのだけど。

とにかく言えるのは、唯只管美しいライブだった。これほど美しいアイドルの最期を観たことはなかった。

 

 

これ以外にもワンマンライブや昨年の@JAMとか語りたいものがたくさんありますが、バランス取りました。そして、今回もめちゃめちゃ時間かかりました!(過去のライブ記録、自分のSNS等で事実確認するのがえらい大変だった)

次回からは最終章メンバーについて語って(多分2回に分けます)、締めたいと思います。

sora tob sakanaと私③楽曲:ワーナー期編

さあ、懲りずに続けます。

※重ねて言いますが、あくまで個人の感想・音楽趣味・知識に基づいたものなので、照井さん本人の意図・見解とは大幅にずれていることをご了承ください

 

■alight ep(2018.05.16)

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City Lightに負けない!

①Lightpool
個人的『カッコいいサカナ部門第一位』。中野サンプラザで開催された天体の音楽界vol.1で初披露。メジャーデビューが発表されても淡々としたまなちゃんから、「それでは7月に発売されるメジャーデビューミニアルバムから聞いてください。Lightpool」でこの曲に雪崩れ込んだ時のインパクトは凄かった。一瞬のドラムロールからイントロ抜きで歌が始まる構成はセトリのどこに置いても不意打ち感があって、テンションが上がる。サカナの振り付けはどちらかと言うと世界観の表現に主軸位を置くことが多いが、この曲に関しては最高にキレキレでカッコいいダンスを観ることができる。メジャー感溢れるスタイリッシュなMVも最高。シングルとしてSFアクション系アニメのOPタイアップとか取れてたら、サカナの代表曲になっていたかもという妄想。
②鋭角な日常
マスロック×南米サイケデリア。初披露時は賛否両論だった印象だが、振り付け・VJ含めたライブパフォーマンスの強度で徐々に評価を上げていった。個人的には照井さんが南米音楽にも精通しているのは知っていたし、ポストロック×南米×ビブラフォンってDylan Groupやん!と興奮してすんなりハマった。本来はフロアを横移動させることも狙った振り付けだったのだろうけど、そこは不発に終わった。アウトロでクールに「ありがとう」と言う時期があったけど、あれ好きだった。ブリッジのふぅちゃんパートはまじサウダーデ
③秘密
サカナのオタクが思う『サカナらしい曲』を『可愛くてキャッチ-』に全振りしたような曲。あざとい、こんなあざといの好きに決まってる。この曲は天体の音楽会vol.1以降歌詞・振り付けが大幅に変更され、アルバムにはそのバージョンが収録されている。旧バージョンの振り付けがシュール可愛い感じで結構好きだった。ラスサビでおさえつけてた気持ちが駆け出して(マサイして)しまうオタクが続出する。
④Brand New Blue
照井さん作曲で唯一外部がアレンジした楽曲。元はGalileo Galileiを彷彿とさせる爽やかなギターポップで、振り付けも大幅に違っていた(こちらのサビの振り付けがとても可愛い)。本作収録verではホーンセクションやシンセが前面に出た良くも悪くも煌びやかなJ-POP的なアレンジに変わっており、新鮮味はあるものの音源でもライブでもどうしても浮いてしまった印象。バンドセットでは元アレンジと本アレンジの折衷のような形になり、Deep Blueでもそのアレンジが採用されている。魔法~・tswに続いて全てメンバーのソロパートで構成されており、まなちゃんの歌唱力の成長著しさが印象的。
⑤蜃気楼の国
OWENを彷彿とさせるポストロックを通過したフォーク調の静かで美しい曲。ソロやハモなど、メンバーそれぞれの歌唱に聴きどころが多い。ライブではラストに原曲に無いコーラスパートが入る。ライブ披露された回数は非常に少なかったものの、WFT以降増えた静謐な楽曲(燃えない呪文、BYOG、踊り子たち等)への橋渡し的存在、試金石だったように感じる。
⑥Lighthouse
夜間飛行が一手に担っていたクライマックスの盛り上げ役だけでなく、ライブのオープニングも飾れるスケール感のある正当派ロックチューン。ロキノン系のバンドが披露したら普通にライブアンセムになりそうなスタンダード感は新鮮だった。クライマックスで飛び跳ねるメンバーの様子を見ると、その時のコンディション・テンションがわかるバロメーターでもあった(特にまなちゃんw)。天体の音楽会vol.3での同曲は圧巻。

 

■New Stranger(2018.07.25)

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夏の思い出


①New Stranger
初のアニメタイアップにして、2年半ぶりのシングルリリース。MV100万再生を達成し、新規ファンの獲得に大きく貢献した。一方、アニメの世界観に寄せた歌詞・アレンジはキャッチーで振りコピも楽しかったものの、正直全肯定できなかったのは今だから正直に言っておこう。後、セトリに入れすぎて飽きられてしまった感はある。バンドセットのギターがゴリゴリのアレンジ(Deep Blueも同じアレンジ)はめちゃめちゃカッコいい
②silver
初披露から音源化までかなりかかった楽曲。趣向の違う楽曲派も殺せるサカナ流平熱ファンク。Kindnessあたりのチルファンク系が元ネタ?淡々と歌うメンバーの裏で徐々に熱を帯びていく演奏が最高にカッコいい。
③発見

相当ハイスイノナサに寄せた実験的な楽曲ながら、3人体制になってからギュウ農フェス等重要ライブのセトリに投入され、フロアの空気を変えるのに一役買っていた。この系統の楽曲は毎回VJが圧巻。拍子、歌の入り方が変態すぎてメンバーは常に苦戦していた印象。

 

■アルファルド(2018.11.23)

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うみへび座でもっとも明るい恒星らしい

所謂『7インチシングルにしか収録されてない隠れ名曲』的存在。夜空~まぶしいの系譜を継ぐ世界観で、19年のふぅ生誕の人気投票でもメンバー予想外のトップ10入り(当時はまだ3人版の振りいれが未完)を果たした。間奏で入るマイク・キンセラみのあるギターフレーズとそこで性急になるドラムが大好き。

 

■World Fragment Tour(2019.03.13)

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このジャケットだけは正直・・・

①whale song

出囃子part2。曲名はVJのTONTONさんによるOP映像に合わせてと思われる。客席側が一糸乱れぬ変則クラップで出迎える光景はなんか好きだった。
②knock!knock!

シングルが一切収録されなかった2ndアルバムのリードトラック。低音重視のミニマルなトラックに突然のアラビアンなギター、初めて聴いた時はどう反応していいかわからなかったが、徐々にビートの気持ちよさに気付き、気づけば個人的にサカナで一番踊れる曲になっていた。一聴するとバンド向きなイメージは全くないのだけど、バンドセットでやるこの曲は最高にカッコいい。
③FASHION

このアルバムの中で数少ない照井さんぽい手癖のある楽曲。でもサクッと終わる。ライブでやるようになってから良さに気付いた感じ。タイトル通りファッションショーのような振り付けが独特。
④タイムトラベルして

宇宙コンビニ~JYOCHOのタッピングの魔術師ことだいじろー氏による楽曲。今作参加の外部ミュージシャンの中でも一番相性がいいだろうとは思っていたが想像以上。どこか滅びの美学のある世界観はサカナのそれと見事にマッチした。JYOCHOとツーマンライブしてこの曲コラボして欲しかったなあ・・・
⑤燃えない呪文

新鋭SSW君島大空氏による、ローファイチェンバーフォーク。ライブで披露されたのは君島氏とのツーマンとラストライブの2回のみ。『ローファイなオサカナ』という路線はこの先があったらもう少し聴いてみたかったかも。
⑥嘘つき達に暇はない

ジャンルもインスパイア元もはっきりしない人を食った感じ、トラッドっぽい感じもするけど、そんなにフォーク感はない。照井さんの引き出しの底知れなさピノキオを意識したコミカルな振付が可愛く、なっちゃんがアルバムのお気に入りに挙げていた。バンドセットでここまで大化けするとは思わなかった。
⑦暇

アルバムのインタールード的サウンドコラージュ。こういう時のメンバーの悪ふざけはいつも楽しそう。ラストライブでまさかの実演。
⑧ありふれた群青

それこそユーミンなどを彷彿とさせるシティポップ風ナンバー、おやすみの発展系とも言えるが、こういう楽曲を歌いこなせるまでに成長したメンバーの歌唱に注目。特にふぅちゃんの表現力が素晴らしい。
⑨シューティングスター・ランデブー

ex.school food punishmentで現siraphのメンバーである蓮尾氏による楽曲。Negiccoのトリプルワンダーランドを彷彿とさせるようなキュートなデジタルファンクで、これがドハマり。ライブでも頻繁にセトリ入りして、結果的に後期サカナの代表曲の一つにまで成長した感がある。
⑩World Fragment

アルバム表題曲。照井さん的手癖を全開にしつつも、Bメロのchonっぽい展開や、ダブステっぽいアレンジも盛り込んでサカナの新しい代表曲になり得る可能性はあったが、ライブでブラッシュアップさせる時間が足りなかった

『世界の欠片を集める旅』のタイトル通りバラエティに富んだ実験的な作品だったため、正直1stほどの評価は得れなかった印象だけど、個人的にはこの変化はアリだった。れいちゃん卒業の影響もありこのアルバムを引っさげたツアーが無かったこと、解散直前のアルバム全曲公演にWFTが組まれなかった、このアルバムの世界観をライブで表現する場が一度も無かったのはいまだに残念に思っている。
⑪WALK

長い時間を過ごした仲間との別離と未来での再会を誓うストレートなキラキラギターポップ。結果的にれいちゃんを送り出す曲となり、最後にはサカナのそれぞれの道への背中を押す曲となった。披露回数は極端に少なかったものの、後期サカナの最重要曲

 

■ささやかな祝祭(2019.07.24)

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久しぶりにメンバー登場


①ささやかな祝祭

アニメタイアップ第2弾。3人体制になってから初のシングル。帰り道のワンダーの路線をよりジャジーに表現してアニメの世界観に合わせていったが、結果的にアイドル・アニメどちらのファンにとっても中途半端な曲になってしまった印象。EDテーマというのが尚更難しかったか。黄昏のマティーニ
②乱反射の季節

スティールパンのフレーズが印象的な疾走チューン。ザクザク刻むギターカッティングが気持ちいい。Fashionと同じく、メジャー期以降のマスロック寄りの曲はサクッと終わるのが良い。これとかパレードとかもっとやりこんでライブで育った姿を見たかった。
③ブルー、イエロー、オレンジ、グリーン

19年のツアーのテーマトラック。アンビエントなトラックに初めてメンバーのポエトリーリーディングを取り入れた実験的な楽曲。それぞれ読み方に個性があって良い。この曲は明確に3人体制だからできることを追及した感じがする。改めて照井さんの詩の世界は独特

 

■流星の行方(2019.10.10)

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廃線ってロマンがあるよね

配信ゲームの主題歌タイアップ。全編にわたり壮大なストリングスが流れRPG感が強いが、バンド演奏そのものはかなりアグレッシブでアニのうねるようなベースラインが変態。バンドセットで聴くと、骨組み自体は広告に近い感じがした。

 

flash(2019.11.13)

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史上最もショートなふぅちゃん

flash

アニメタイアップ第3弾にして逆転満塁ホームラン。1番でアニメOPとしての役割を終えてからの、まるで組曲のような怒涛の展開、最終的にラスサビに最高のカタルシスとともに集束する。照井さんやりたい放題だよ!「神様がまだ~」の寺口パートが素晴らしい、あなたが神様だよ。
②パレードがはじまる

変態リズム地獄最終章。でもサビはきっちりポップ。発見でやったことをポップミュージックとして成立させる意図というか、flashでもそうだけど今まで別々の曲でアプローチしていた要素を1つの曲で複数織り交ぜて表現しようとしている感じ。
③踊り子たち

新居昭乃的退廃感のある変拍子ミディアムバラード。個人的サカナ最高傑作。こういう曲を表現し切れるようになった3人の成長も素晴らしいし、透明な怪物~蜃気楼の国から挑戦してきた表現がここに昇華した大名曲だと思う。

 

■deep blue(2020.08.05)

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海に還る

①信号

ドローン~エレクトロニカサウンドを前面に出しつつ、アンビエントソウル的なトレンドも取り入れた意欲作。普通のグループ、運営だったら夜空を全部パート2的なのを作ってきた可能性もあったかもしれないけど、最後まで3人と照井さんは今のサカナだからできることへの追及を止めなかった。個人的にはflash以降の路線の、アンビエントエレクトロニカ~ポストクラシカル色の強い3rdアルバムを聴いてみたかった。
クラウチングスタート
③夜空を全部
④魔法の言葉
⑤広告の街
⑥まぶしい
⑦Brand New Blue
⑧New Stranger
⑨夜間飛行
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⑪untie

サカナにとってのエピローグ。ピアノとストリングスで構成されたポストクラシカルな伴奏に3人による輪唱が泳ぐ。アルバムジャケットの様に3人が海に帰っていくことを示唆するような歌詞、最後の1節「君が生きている」に全てが込められている感じがする。

 

■総括

めちゃめちゃ時間かかった・・・これだけの曲をライブで4時間ぶっ通しでやった3人への畏敬の念がさらに増しました。

改めて、サカナの世界観って物理的な意味でも、また精神的な意味でも『別れ』の歌が多くて、当初から全てはいつか来るラストライブのために書かれたんじゃないかと思える曲が多い。未来へのノスタルジーみたいな。

 

大小の差はあれど、やっぱりサカナの曲がどれも好きだし、これからも聴くごとに色々思い出したり新しい発見したりするのだと思う。次回は思い出に残っているライブのエピソードを書きたいと思います。(続く)

sora tob sakanaと私②楽曲:インディー期編

前回の流れのまま時系列で語るのはあまりにもダラダラしそうなので、ここからはお題を決めて語っていきたい。まずは楽曲について。

『音楽プロデュースを照井順政(ハイスイノナサ、siraph etc)が手掛けており、ポストロック、エレクトロニカといったジャンルのサウンドを基調にした物語性の強い楽曲とイノセントな歌声、表情豊かなパフォーマンスが唯一無二の世界観を作り出している』


sora tob sakanaの楽曲を説明する時に、定型句として出てくるフレーズである。司会者がいるイベントや、メディアに出たときはだいたいこれがそのまま使われることが多い。私もポストロック、エレクトロニカが元々好きだったからサカナの音楽に興味を持ったわけだし、間違えでは全くない。

しかし、個人的にサカナの音楽に惹かれ続けた最大の理由は照井さんが

sora tob sakanaをジャンルアイドルにしなかったこと』

だと思っている。アイドルグループを展開していく上で不可欠な『コンセプト』と『音楽性』を比較的ファジーにしたことで、自由でバラエティに富んだ楽曲展開ができたように感じるのだ。

 

サカナの楽曲を語る上で『ポスト~マスロック⇔オルタナ』と『アンビエントエレクトロニカ』の2軸が基本になる気がするけど、この座標軸でも完全に被る曲はほとんどないうえに、これに合致しない楽曲もたくさんあると、振りかえってみて改めて思った。実に自由!

というわけで、今回は全作品の全曲レビューを通して何故私がサカナの楽曲が好きなのかを語っていきたい。
※あくまで個人の感想・音楽趣味・知識に基づいたものなので、照井さん本人の意図・見解とは大幅にずれていることをご了承ください

■夜空を全部(2015.10.10)

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若い・・!

①夜空を全部
言わずと知れたデビューシングルの表題曲にして代表曲。照井さんが解散直前の時点でも最高傑作と断言するだけあって今聴いても、不要なパート・フレーズが一切存在しない唯一無二感。これ以降2度再レコーディングされているが、この原型をひたすらブラッシュアップさせる形となっている。個人的な感想だが、元のオケが印象的すぎて現在のバンドセット編成になるまでバンドセットバージョンが正直しっくり来なかった。歌詞全体に溢れんばかりのジュブナイル感、「私の夜空を全部あなたにあげる」というフレーズがまず天才だし、そこから「夜空を全部」というタイトルとして抜き出すセンスも異常。
②Moon Swimming Weekender
ライブでこれのイントロが流れた瞬間にフロアが沸き立つ感じがとても好き。初めて聴いた時はUnderworidのマスロック的解釈という印象だった。後に1stアルバムに収録されたバージョンと比べると完全打ち込みなためかリズムが変態的(1stアルバムでは生演奏を意識してかリズムが若干優しくなるw)。これを普通だと思ってパフォーマンスしていたメンバーは凄い
クラウチングスタート
思春期の甘酸っぱい初恋と別れを描いた(照井さんはユーミンを意識したそう)サカナ屈指の胸キュンソング。ラフで初期衝動感があって初期The Get Up Kids的でエモい。こちらも2度再レコーディングされたが、作りの粗いこのバージョンが一番グッとくるのはやはりエモさとメンバーの等身大と重なっている故だろうか?ラスト「今新しい靴を履いて~」のニゾンの美しさは4人のサカナの真骨頂(ここはライブ編でも語っていきたい)。

■魔法の言葉(2016.02.16)

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この衣装は個人的に一番好き

①魔法の言葉
2ndシングルの表題曲。フォーク~トイトロニカ的ともいえるカラフルな電子音が印象的なエレクトロナンバー。初めて聴いた時は「照井さんはこんな引出しもあるのか!」と驚いた。メンバーのソロパートのみで構成されているのも特徴で、これ以降エレクトロニカやポップな色合いが強い楽曲で採用されるようになる。2番ふぅちゃんパートの「これからの~」の歌声は至高。初期のセトリではアクセント的役割になっていた印象、特にTFMホールでよく聴いた気がする。この曲の次にシングルが出るのが2年以上後とはメンバーもオタクも誰も思っていなかったはず。
②新しい朝
サカナとしては異色のサイケ風味?のデジロック。寝坊してしまった後悔をやたら壮大な歌にしてしまう照井さんのイマジネーション。落ちサビはまなちゃんの歌声の魅力の塊。ドタバタ感のあるコミカルな振り付けで、振りコピも楽しい。サカナでは珍しいウリャオイ曲。
③広告の街
照井さんがハイスイノナサに寄せてアイドルソングを作ったらこうなった。対外的なサカナの代表曲になったこの曲も、この時点ではシングルカップリング。サカナがメディアでは『ポストロック~マスロックをやるアイドル』とイメージの付いた最大の要因はこの曲(と照井さん自身による演奏動画)だと思われる。歌詞を一音ずつ分解してメンバーに割り振るという発想と、それに何の疑問も感じずに付いていったメンバーの凄さ。この時点ではドラムはまだ打ち込みだが、GOTOさんのハイパーソリッドなドラム(1stアルバム)→リンタロウさんの重厚なドラム(deep blue)とリズムがよりグルーヴィーにダンサブルに変遷していくのも面白い。

sora tob sakana(2016.07.23)

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2010年代ベストであろう鮮烈なジャケット

①海に纏わる言葉
ライブのオープニングSEに使われていた楽曲。波音から始まり、アンビエントな音色、ピアノの単音からバンドサウンドに雪崩れ込む。この曲のおかげでサカナはどんな対バンに出ようと瞬時に場の空気を切り替えることができた。
夏の扉
サカナで最もエモい(ジャンル的な意味で)楽曲と言えばこれ。MineralのGloriaばりに胸を焦がすイントロは最強。ひと夏の恋物語を想起させる歌詞とサウンドの相乗効果。れいちゃん(後にふうちゃん)による「目線を逸らして~」の一節は毎回ウルっとなる。そんな経験したことないのに。
③広告の街
④夜空を全部
⑤魔法の言葉
⑥まぶしい
壮大なストリングスとキラキラしたギターフレーズ、それに相対する暴れ馬のようなリズム隊。きっと照井さんアダム・ピアース(Dylan Gloup,Mice parade)好きなはず。夜空を全部の続編のような世界観の歌詞も相まって、ライブで披露される頻度は少ないながら隠れ人気曲だった印象。終盤の展開はまるで聖歌のよう。
⑦My notes
サカナでは比較的スタンダードな和製オルタナロックチューン。サカナ現場では珍しいイエッタイガーがはまる曲。1stアルバムが出るまではライブ定番、でもそれ以降は出現頻度が徐々に減っていった印象。解散直前に思わぬ形(『My Notesさんに失礼事件』)で脚光を浴びることになりw、結果的にセトリに復活する。
⑧Summer Plan
サカナの夏は毎年素敵な軌跡が起きる(これもライブの思い出で語りたい)、そんなことを予見したかのようなトロピカルマスチューン。トリッキーなリズムなのに、驚くほどキャッチ-でフロアも巻き込んで盛り上がりラインダンスまでできる屈指の沸き曲だった。サカナの振り付けのユニークさを象徴する1曲でもあると思う。個人的には2番Bメロのふぅちゃんパートが好きすぎて、毎回全力でコールしていた。
⑨帰り道のワンダー
初めて聴いた時の感想は「みんなのうたかよ?!」と思ったカントリー風味のフォークロックチューン。トクマルシューゴ的なリフが入っていたり、しっかり照井さんぽい要素も。メンバーがフロアに掛け声を煽る数少ない楽曲だった。今聴くと音源の終盤で大はしゃぎする4人の声、そしてなっちゃんの「やばめ・・・w」が泣ける。
⑩おやすみ
何気ない日常に遠く離れた友を思う、チルなサウンドに都会的なセンスを感じるギターと少しブルージーなスライドギターが乗っかるミドルチューン。曲全体に流れるクリックノイズは心のざわつきか。個人的にはさよならポニーテール感があって好き。まなちゃんのお気に入り曲で、自身のプロデュース公演で5連続?でやったのは有名な話(私は見逃した)。
⑪Moon Swimming Weekender
⑫新しい朝
ケサランパサラン
なっちゃんが照井さんに熱望して作成されたサカナ史上最も可愛いチップチューン。落ちサビ含めて実質寺口曲。セトリの流れに置きづらいためか?ライブ出現度はかなり低めのSレア曲だった。ラップ風パートのふぅちゃんの「Hoi!」とラストの「悔いはないです」がとてもとても可愛いのだけど、ライブで悔いはなかったのは記憶する限り一度しかない
クラウチングスタート

cocoon ep(2018.04.11)

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初のイラストジャケ(これ以降メンバーのジャケット登場が激減)


ribbon
サカナにとって大事なステージでは高頻度でこの曲が最初か最後を飾っていた。特に終盤、クライマックスのぶち上げ曲(夜間飛行など)が終わった余韻にこのポストクラシカルなイントロが流れて来た時の頼もしさ、ダメ押し感は半端なかった。cocoon(=繭) ep自体が『幼年期との決別』『大人になること』をテーマにした作品だと思うのだけど、ribbonはそのオープニングにしてテーマソングのような存在になっている。バンドサウンドのサカナ曲でベストを挙げるなら私は確実にこれを選ぶ。終盤、「発車のベルが~」のふぅちゃんはマイベストふぅちゃんの1つ。
②タイムマシンにさよなら
サウンドにフューチャーベースを取り入れた意欲作。とは言え、ビートがどんどん暴れ馬になっていくのが照井さんらしい。振りコピしやすく、ジャンプしてシンガロングして盛り上がるパートもあり、ライブ序盤の着火剤(2曲目に置かれることが多かった印象)としてで重宝されていた。
③夢の盗賊
cinema staffのメンバーがドラムで参加しているロキノンオルタナサウンド×変拍子というヘヴィな楽曲。歪んだギターがここまで前面に出た曲は意外と珍しかったり。マスアピールもできる楽曲だと思うのだけど、セトリ出現頻度は低め。間奏のクラップが気持ちいい。
④tokyo sinewave
サカナ×IDMの原点にして至高の1曲。曲が経過するごとに徐々に音数が増えていき、クライマックスで音の塊と化した瞬間、波が引くように音数が減っていく流れが素晴らしいの一言。2017年のTIFのZEPP、2019年の@JAMの横浜アリーナなど大舞台でジョーカー的に使われることも多かった。特に後者は鳥肌物だった。一度ガチのテクノイベントに出演して欲しかったなあ。本当のことを言うと歌割は最初期(まなちゃんが歌い出しを担当、音域が合わずにれいちゃんになった)が好きです。あの消え入りそうな儚さこそまなちゃんの歌声の魅力。
⑤透明な怪物
曲調は完全に合唱曲なのに途中でバーストするとんでも展開な楽曲。歌詞の内容がribbonと同じく『幼年期との決別』になっており、cocoon epの終章的なポジションとなっている(個人的に夜間飛行はエンドロール)。ライブでは途中から原曲にないバックコーラスやハモを追加してより合唱曲っぽさが際立つようになった(その分3人体制になってからは表現に苦戦していた印象)。

⑥夜間飛行
シンプルでパワフルなフロアタムのビート。それまでのサカナのライブに足りなかった『感覚的にフロアを沸かせるパワー』がこの曲の登場で一気に変わった感じ。逆にこれに頼りすぎて「また夜間飛行か・・」になった時期も正直あったけどwそれでもふぅちゃんから
サビの斜め指さしが来ると最高に気持ちがアガってそんなこと忘れるんですよね、オタクなんで。

昨日寝落ちしたのもあるけど、1回で全部書ききるつもりがここまでで2日かかった・・・!メジャーデビュー以降はまた次回!(続く)

sola tob sakanaと私①出会い編

sora tob sakanaが9/6の日本青年館ホールのライブをもって解散した。

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5年以上推してきたグループが無くなった今の浮ついた心境に区切りをつけるためにも、自分とサカナの5年間を文章にしていこうと思う。

 

●出会い
2015年10月、2年半前にさくら学院がきっかけでアイドルの世界に踏込んだ私は、TIFに参加したことがきっかけでアイドルネッサンスのオタクになっていた。フェスや対バンを通して、アイドルはステレオタイプな音楽をやっているだけではないということがわかってきて、ルネ以外のグループ(当時はリリスク、ハコムスとか)にも興味を持ち始めていた。

 

忘れもしない10月10日、CDを買うために立ち寄ったタワーレコード新宿店の邦楽フロアで知らない音楽がかかっていた。なんかカッコいいな、新人バンドかな?と思って、調べるとsora tob sakanaという妙な名前のグループ、POPを読むとポストロック~エレクトロニカ系のアイドルらしい。しかもデビューシングル(当時は新宿店限定発売)。

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『夜空を全部』ジャケット

アイドルらしからぬ薄暗いトーンの海をバックにしたジャケットに写るメンバーの幼さ・垢ぬけなさに軽く(父兄なのであくまで軽く)戸惑いつつも、千円もしなかったので軽い気持ちで買い物かごに放り込んでいた。『夜空を全部』という不思議で印象的なタイトルにも惹かれた。買った際にポスターと特典券を一枚貰った。

 

家に帰り、CDを再生。
なにこれ、めちゃめちゃカッコいいんですけど!?
ポストロック~エレクトロニカ~エモ系のサウンドに幼い拙い歌声とノスタルジックな歌詞が驚くほどマッチしていて、買ってから1週間はiPodで何度もリピートした。作曲者は残響系の人と知り、このサウンドにも納得がいった。そして思う、これは一度ライブ見てみたいな、と。

 

貰った特典券には翌週10/18にリリースイベントがある旨が記載されており、ちょうどその日リリスクのリリイベに行く予定だったので、そのついでに見てみようと思った。

 

そして当日新宿タワレコ、当時はルネのリリイベに比べるとそこまで人も多くなかったと思う。衣装は確かねずみ色のセーラー風のやつだった(後にも先にもこの衣装見たのはこの時だけ、写真が見つからない・・・)。やった曲はたしか、夜空・DASH・クラウチングだった…ような気がする。写真でも幼い印象だったけど、生で見るとさらに幼い…しかも一人椅子座ってるし…(当時まなちゃんが足を怪我していた)。そしてオタクのコールがすごい、何言ってるのかわからん。お世辞にも上手いパフォーマンスではなかったけど、CDとほぼ変わらない純粋な歌声が印象に残った。

 

せっかくなので、特典券を使って握手会に参加することにした。当時通っていたアイドルネッサンスは特典会がお見送り会のみで、ただお話するだけだったので、握手は初めてだった。元々コミュ障な上にアイドル、しかも小中学生(まなちゃんは当時小6)と握手するということに緊張しすぎて、何を話したかあまり覚えていない。

 

覚えているのは、ふぅれいのテンションの高さにビビりほとんど話せず、まなちゃんに「けが大丈夫?」と聞いたら警戒した目で「あ・・・はい・・・」みたいな感じになり、なっちゃんに「この後もう一本リリイベあるので来てください!」と言われて、「ごめん、用事があっていけない」という言葉が出てこず怪訝な顔をされるなど、端的に言うと大事故でした。そして、思った。

「やっぱり俺には過度な接触は向いてないな」

※とても、翌年にはチェキおじさんになっているとは思えない人の感想ですが事実です

(続く)